現在、インフレによって保険料が上昇しています。そうなると、通常は保険契約者の満足度が低下します。2022年も例外ではありません。業界全体で満足度が低下し、デジタル顧客体験に投資して得た利益が失われています。
今のところ、保険会社で大量の保険解約者が出たという話はまだ聞いていません。保険契約者が解約を始める前に、保険会社は顧客満足で得た利益を回復することができるでしょうか。
データ: 保険料は上昇しているが、まだ解約には至っていない
損害保険料は、2021 年の第 4 四半期に平均して 4.25%上昇しました。これは全体としては緩やかな上昇ですが、例外もあります。小規模企業と中規模企業の保険料は、それぞれ 6.3% と 10.6% 上昇しました。一方、新たに山火事の通り道になった地域に住む人など、個人の保険契約者の中には保険料が最大 40% 跳ね上がったケースもあります。
物価の上昇はだれも好まないため、価格の上昇と共に保険契約者の解約が増えることが予想されます。ただ、これはまだ起こっていません。保険の購入と契約プロセスに対する顧客満足度は、過去 12 か月で 16 ポイント低下しましたが、解約に至った保険契約者はわずか 21% でした。
顧客離れがまだ起きていないことは良いニュースでもあり、悪いニュースでもある
新しい保険会社に乗り換える保険契約者が増えていない唯一の理由は、どこも保険料が高くなっているためです。多くの消費者が価格競争力のある保険を探していますが、現時点で見つかる選択肢は多くありません。
一方で悪いニュースがあります。保険料の引き下げを求める声が現在高まっていることです。言い換えると、一部の保険契約者は物価が下がるとすぐに解約する可能性があるということです。それと同時に、保険料を引き下げるなんらかの方法を見つけた保険会社は、すぐに競争上の優位に立つことができます。
現時点での明るい兆しは、保険会社には、保険料が下がり始めるまでにまだ時間があるということです。そのため、手遅れになる前に、顧客体験で利益を取り戻し、保険契約者の解約率を抑えるチャンスが残されています。
保険会社は顧客体験のどの部分に投資すべきか?
保険会社は、消費者が保険の購入と契約プロセスをより簡単にできるように、既に多大な努力を払ってきました。以前は、見積りを取って、料金を比較し、保険を購入するまでに何日もかかっていましたが、今では数分で済みます。このプロセスはまだ最適化の余地がありますが、それよりもっと早く成果が出るものがあります。
保険会社にとって契約プロセスは 2 つの主要な顧客接点のうちの 1 つにすぎず、保険金請求というもう 1 つの顧客接点があります。また、請求プロセスは顧客満足の点で5 年ぶりの低水準にあります。これには次のようないくつかの理由があります。
- 人員不足により、保険会社の請求処理が難しくなった
- デジタル ツールが期待通りに働かず、手作業が必要だった
- 保険契約者側にデジタル ツールを利用する人が少ない
言い換えると、保険会社は請求プロセスに集中して取り組むことで、支出をはるかに上回る利益を得ることができます。見直す点は他にもたくさんあります。
考慮すべきもう 1 つの点は、高くなった保険料に不満を持っている保険契約者は、保険金請求で体験が良くない場合、解約する可能性が大幅に高くなるということです。一方、不満を持っている保険契約者でも、保険金請求で特別に良い体験をすると、解約を思いとどまる可能性があります。保険会社には、解約しそうな多くの顧客を引き留めるチャンスがあるのです。
保険会社は解約者を出さないために請求体験をどのように最適化するとよいでしょうか?
保険会社には、保険の請求体験を向上させるために達成すべき大きな目標がいくつかあります。
- 自動化を進めて人手不足を補う
- ロータッチのデジタル ツールに投資し、手作業を減らす
- 顧客向けのデジタル ツールをより使いやすく、より魅力的なものにする
保険会社がこうした目標を達成するにはどうすればいいでしょうか。シフト テクノロジーは、保険会社が保険の請求体験のバックエンドとフロントエンドの両方を改善するのに役立つさまざまなツールを提供します。実際に、Shift Claims Intake Decisions (シフト・保険金請求処理の意思決定) ソリューションは、保険会社が保険金請求用にまったく新しい Web インターフェイスを構築し、自社のブランディングを施して提供できるように設計されています。(今あるフロントエンドを利用しながら、プロセスを改善した新しいバックエンドを構築することもできます)
人工知能と自動化は、弊社のすべてのソリューションを支える基盤であり、保険会社の従業員がより優れた意思決定で顧客体験を向上させることができるようにサポートします。以下に一例を示します。
お客様はデジタル ツールを使って FNOL (初回損害通知) を行うが、その後は人と話したいと考えている
弊社の取り組みでわかったことの 1 つは、保険契約者が保険金の請求を行う際にデジタルとアナログの両方の方法を利用することが多いということです。事故の発生時はデジタルのフロントエンドを使って保険契約文書を提出しますが、請求状況を確認したり、追加情報を提供したりするときには担当者と話したいと思っているのです。
ただ、そのために顧客体験が悪くなることがありました。最前線の顧客サービス担当者 (CSR) は、請求処理をサポートするための研修を受けていなかったり、リソースを持ち合わせていなかったりすることが多いのです。そのため、保険契約者は最初に顧客サービス担当者と話して情報を提供した後、請求査定人に転送されて保留で待たされた挙げ句、情報をもう一度提供する必要があります。電話で 1 時間かけて同じことを繰り返すのを快く思う人はいないので、これは悪い顧客体験と言えます。
シフトを利用すると、請求情報と意思決定ツールが顧客サービスの階層まで行き渡るので、ここで違いが生まれます。担当者は、電話に出るとすぐに保険契約者のすべての情報にアクセスできます。電話の転送は不要です。意思決定の必要がある場合は、単純化した請求を送ってストレート・スルー・プロセッシングで処理するなど、AI ソリューションが担当者に推奨するアクションを提供できます。
この場合、保険契約者が最初の担当者と話すだけで保険金請求が迅速に処理され、待ち時間も最小限で済みます。これは確かに優れた顧客体験となります。
保険会社は、保険金請求プロセスに投資することで、解約する可能性のある顧客を引き留めることができます。シフトを利用することで、契約者が大きなストレスの下にあるときであっても、保険会社は確実に良い体験を提供できます。そのため、保険料が下がる見込みがしばらくなくても、保険契約者が契約を継続する十分な理由となります。
シフト テクノロジーに関する詳しい情報と、弊社の保険金請求における意思決定ソリューションが顧客満足度の向上にどのように役立つかを知りたい方は、今すぐデモをリクエストしてください。