論考記事

日本市場を統括する藤井への4つの質問

作成者: シフトテクノロジー|2025/01/14 17:00:00

藤井達司はカントリー・マネジング・ディレクターとして日本市場を統括しています。

今回の「4つの質問」シリーズでは、Shift Technology Japan株式会社でカントリー・マネジング・ディレクターを務める藤井に、これまでのキャリアパスやシフトテクノロジーの魅力、日本の保険業界におけるトレンド、そしてAIや生成AIの導入を検討している日本の保険会社へのメッセージについて話を伺いました。

Q:これまでのキャリアパスとシフトテクノロジーに転籍した理由について教えてください。

藤井:コンサルティングおよびITサービス業界において、金融および保険業界を中心としたクライアントを20年以上にわたり担当してきました。この間、多様なプロジェクトに携わり、業界特有のニーズや動向を深く理解する機会を得ました。特に、お客様のビジネス成長を促進するために、常に最適なサービスやソリューションを提供することに努めてきました。

パンデミックや災害などが予期せぬレベルで頻発する現代において、人々の健康を向上させたり、人々を甚大な災害から守るような社会課題解決が、これまで以上に保険会社様に期待されていると認識しております。シフトテクノロジーは今後さらに、保険会社様とともに社会課題解決に貢献できるはずと考え、ジョインさせていただくことになりました。弊社は、保険会社様とともに社会的な責任を果たす重要な役割を担っており、その中で自身の経験や専門知識を活かせることに大きな魅力を感じています。社会的責任を果たしつつ、持続可能な未来の構築に寄与することは、私のキャリアの中で重要なテーマとなっています。

今後も、経験と専門知識を活かし、お客様と共に成長し続けることを目指しています。特に、AI技術やデータ分析を通じて、お客様の競争力を一層高めるお手伝いができればと考えています。また、業界全体の発展にも寄与できるよう、常に学び続けてたいと思います。

Q: 日本の保険市場や特徴をどのように捉えていますか?

藤井:日本における保険の浸透度は、他国と比較して非常に高く、国民は保険を生活の一部として捉え、保険会社様に対する信頼も非常に厚いものとなっています。このような背景において、保険は単なる金融商品ではなく、人々に安心を届ける重要な役割を果たしています。しかし、その一方で、保険会社様への不正行為も存在しており、保険加入者への信頼の維持は大きな課題の一つとなっています。

シフトテクノロジーはこれまで、日本において損害保険会社のお客様との実績を確固たるものとしてきました。この実績を基に、さらなる信頼構築に向けた施策を推進しています。最近のトレンドとして、生命保険会社に対する不正行為がコロナ以降増加傾向にあることが挙げられます。この状況は、保険業界全体にとって大きな課題であり、特に生命保険のお客様に対する信頼を維持するための戦略が求められています。シフトテクノロジーにとっても、生命保険のお客様が増加傾向にあり、新たなお客様との契約も締結しました。

Q:AIと生成AIが、日本の保険会社の課題解決に資すると考えていますか?

藤井:日本の保険業界は、さまざまな課題に直面していると考えています。その中でも、労働人口の減少は特に深刻な問題です。労働力が減少する一方で、保険会社に対する不正行為はますます複雑化しており、これに対処するためには新たなアプローチが求められています。こうした状況において、AIの活用が、保険会社様のさらなる課題解決に資する可能性が高いと考えています。

AIの導入は、保険会社様の業務効率を大幅に向上させる手段となります。労働力を適切に配分し、限られたリソースで社会課題に対応していくためには、AIの活用が不可欠です。例えば、AIを用いたデータ分析により、顧客のニーズやリスクを迅速に把握し、適切なサービスを提供することが可能になります。これにより、保険会社様はより効果的に業務を遂行し、顧客満足度を向上させることができます。

さらに、生成AIは保険会社にとって、業務の効率化を実現するための身近なツールとなりつつあります。生成AIを活用することで、文書作成やデータ整理、さらには顧客対応においてもより効率的な業務遂行が可能になります。これにより、職員はより価値の高い業務に集中できるようになり、全体の生産性が向上します。

なおシフトテクノロジーのAIの導入により、保険会社様は不正行為の検知やリスク管理の精度を高めることができます。日々複雑化する不正行為を検知するためには、不正のトレンドを踏まえたデータ分析が重要になります。弊社のAIはこのようなデータ分析を行うことで、不正行為を検知するための強力なツールとなります。

繰り返しになりますが、AIは日本の保険会社様が直面する課題を解決する上で、非常に重要な役割を果たすと考えています。これらの技術を適切に活用することで、保険業界の効率化や信頼性向上につながると信じています。シフトテクノロジーでは、既存のAIに生成AIを組み合わせることで新たな価値提供を実現しつつあります。今後も、こうした新技術を積極的に取り入れ、お客様の発展に更に貢献していきたいと考えています。

Q:AIや生成AIソリューションを検討している日本の保険会社にどのようなアドバイスがありますか?

藤井:保険会社様が直面するビジネス課題を明確にし、その上で最適な対応策を特定することは、効果的な問題解決への第一歩だと考えられます。私たちは、AIがその解決手段となる場合、どのように適用するかを慎重に検討すべきだと考えています。具体的なニーズに基づいたアプローチが、最も効果的な結果を生むと信じています。

そうしたご検討をされる中で私たちの支援が必要とご判断されましたら、ぜひお声がけいただきたいと思います。弊社は、保険業界に特化したAIソリューションを10年以上にわたり提供しており、その中で多くの知見を蓄積してきました。この経験を活かし、クライアントの具体的な不正検知ニーズに応じたカスタマイズされたソリューションを提案することが可能です。

さらに、生成AIの活用に関しても、弊社はおよそ5年前から研究や実験を行ってきました。この間、生成AIがどのように弊社の不正検知ソリューションにおいて相乗効果を発揮できるかを探求し、一部のお客様とも実用に向けた議論を継続しています。これにより、生成AIを効果的に活用するための具体的な戦略を提案できる準備が整っています。

保険会社様にAIや生成AIを適切に活用いただくことで、業界としての信頼性が高まるはずだと考えます。私たちは、お客様と共に成長し、未来の保険業界を共に切り拓いていきたいと考えています。