保険データネットワーク(IDN)は、保険会社間で共有されるデータを活用し、不正およびリスクに関する高度なインサイトを提供
ボストンおよびパリ、2025年4月2日 – グローバルな保険業界向けにAIを活用した意思決定および最適化ソリューションを提供するShift Technologyは、本日、保険データネットワーク(Insurance Data Network, IDN)を発表しました。本ネットワークは、メンバー企業が業界全体のインテリジェンスを活用できるよう、複数の保険会社間での保険金請求および関連データの協力的な交換を可能にします。保険データネットワークに参加することで、保険会社は貴重なインサイトと分析を得て、保険金請求のライフサイクル全体にわたる不正検知とリスク予防を強化することができます。
保険データネットワークは、米国の保険業界で急速に受け入れられ、現在稼働中です。米国の損害保険業界のトップ5社のうち4社がメンバーとして参加しており、その他多くの保険会社が関与しています。本ネットワークは、全50州にわたる米国の自動車およびその他の損害保険請求の大部分を網羅しており、その請求量は急速に増加しています。わずか数ヶ月の間に、メンバー企業は保険データネットワークの高度な不正およびリスク検知機能を活用し、数百万ドルに及ぶ新たな不正スキームを特定しました。
保険データネットワークは、従来のデータ共有モデルに対して大きな利点を提供します。まず、保険データネットワークのメンバーは自社のデータに対する完全な所有権と管理権を保持し、データが他のメンバー企業に再販売されたり、第三者に転売されたりすることはありません。従来のシステムと比較して、保険データネットワークはリアルタイムでより包括的な請求データと関連インテリジェンスを提供し、不正検知やリスク評価のためのより深い文脈を提供します。さらに、Shift TechnologyのAI製品は、多様なデータソースを活用するように設計されており、保険データネットワークからのインテリジェンスは、顧客がすでに使用している当社製品のパフォーマンスを向上させます。
Shift TechnologyのCEO兼共同創業者であるジェレミー・ジャウィッシュは、「保険データネットワークは、保険会社がデータを共有し、他の保険会社と協力するための安全な環境を提供することで、データからより多くの価値を引き出すことを可能にします。ビジネスや業界全体に影響を与える要素をより効果的に把握し、それを迅速かつ効率的に行うことができるというのは、素晴らしい価値提案であり、共有データの力を活用する新しい方法です」と述べています。
米国の保険詐欺対策連盟(Coalition Against Insurance Fraud)によると、保険会社は毎年約1,220億ドルの損害保険金を不正によって失っており、推定で10%の保険金請求が不正の兆候を示しています。このような状況において、同じ不正グループやプロバイダーが複数の保険会社で不正を行っているため、こうした不正を働く人や団体への可視性を高めることが不可欠です。保険データネットワークからの初期結果は、保険会社間のデータを分析することで、特定された不正ネットワークの規模が平均して3倍に増加したことを示しています。
保険データネットワークへの参加は、保険会社に業界全体または地域特有の保険金請求に関する貴重なインサイトを提供します。この情報は、複数の保険会社にわたる疑わしい行動や不正の履歴がある保険契約者を明らかにすることができます。保険金請求者のさまざまな保険会社とのやり取りを理解することで、保険データネットワークのメンバー企業は調査を迅速化し、より良い結果を達成することができます。
「保険会社は、不正を働く人や団体が単一の保険会社の範囲を超えて活動していることを認識し、常にこうした人物や団体に先んじるために努力しています。最近まで、保険会社はこれまでの経験の枠を超えて不正を把握するツールが限られていました。 しかし、業界全体の知見を可視化し、分析し、そこからインサイトを引き出すことができるようになったことで、保険会社は不正行為との闘いにおいてリーダーシップを取り戻しました」と、Celentの北米保険部門責任者であるカーリン・カーナハンは述べています。
保険データネットワークは、請求プロセス全体にわたって不正およびリスク検知を強化します。たとえば、保険金請求に人身傷害補償および対人賠償責任(PIP/BI)が含まれる場合、保険会社にとってコストとリスクが大幅に増加する可能性があります。したがって、これらの請求の影響を迅速かつ正確に評価する能力は、効果的な管理をめざす上で重要です。
現在、保険金担当者は、広範な事故検証の文書群をレビューし、大量の文書の請求データを手動で分析して関連情報を特定するという困難な作業に直面しています。保険データネットワークへの参画により、保険会社はこのプロセスを自動化できます。データによるインサイトを活用することで、保険会社は現在または過去の人身傷害補償および対人賠償責任の請求が、保険会社の内部監視リストに載っている医療または法的な提供者に関連しているかどうかを迅速に判断できます。これにより、請求を特別調査部門(SIU)に迅速に送付したり、医療管理に回してさらなるレビューを行ったりすることが可能になります。
保険データネットワークは、保険会社の共有データから得られた正確かつ実行可能で安全なインサイトを自動的にメンバー企業に提供します。保険データネットワークへの参加は、保険会社の不正検知および請求プロセスの戦略を強化することを目的としており、以下のいくつかの重要な利点を提供します。
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データからの正確なインサイト: 詳細なデータマッピングとAIによるエンティティ解決を通じて、保険データネットワークは非常に正確なインサイトと推奨案を生成し、保険会社のワークフローやユーザーインターフェースに自動的に統合されます。
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より高度な不正およびリスク検知: 共有データを活用することで、保険データネットワークは不正およびリスク検知能力を強化します。この協力により、業界全体に影響を与える不正スキームやネットワークを明らかにし、より効果的な予防および対応戦略を導くことができます。
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実行可能な請求履歴インテリジェンス: 保険データネットワークは、保険金担当者が過去および現在の請求における保険会社間の疑わしいまたはリスクのある行動パターンを迅速に特定できるようにします。保険会社は、損失履歴のインサイトや情報を受け取るための関連性の閾値を定義または設定でき、ニーズに最も関連性の高いインテリジェンスを受け取ることができます。
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プロアクティブな自動化、文脈および説明可能性: 保険データネットワークは、データを自動的に実行可能なインサイトに変換し、ユーザーに直接結果を提供します。これにより、手動での検索、照合、分析の必要がなくなり、請求プロセスが効率化されます。
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データの所有権: 保険データネットワークのメンバーは自社のデータの所有権を保持し、その使用に対する完全な管理権を持っています。メンバーのデータは第三者に販売されることはありません。
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データのセキュリティとプライバシー: 保険データネットワークのメンバー企業のデータは、業界をリードするデータセキュリティおよびプライバシープロトコルによって保護されています。これらのプロトコルは、確立されたデータセキュリティおよびプライバシーガイドラインに厳格に準拠しており、機密情報の保護を確保します。
「保険業界は長い間、データとそれが提供できるインサイトに非常に価値があり、長期的な成功に不可欠であることを認識してきました。保険データネットワークの立ち上げにより、保険会社は自社のデータから得られる価値の形を変えています。共有データを新しい方法で利用し、業界全体で何が起こっているのかをより深く理解し、その知識と情報を手元に持つことができるというのは、非常に価値のあることです。」とジェレミー・ジャウィッシュは述べています。
Shift Technologyについて
Shift Technologyは、世界の主要な保険会社から信頼されているAIパートナーです。当社の革新的かつ説明可能なAIソリューションは、保険業界における不正やリスクの軽減、請求プロセスの効率化、そして顧客体験の向上に寄与します。保険の専門知識と最先端のテクノロジーを組み合わせることで、Shiftは顧客に大きなビジネスインパクトをもたらし、高いROIを実現します。
詳しくは、www.shift-technology.com/ja をご覧ください。
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